国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
(不思議な匂い……)

「私、絶対にお母様の仇を討つわ」

「あぁ。君にならできる」

あの男が憎い――。

あの男が嫌い――。

あの男を……殺す――。

その思いを胸にミリアンは小さく頷くと、ジェイスがやんわりと微笑んだ。が、その口元には別の意味での微笑が潜んでいたことに、ミリアンは気が付く由もなかった。
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