国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「ソルマンテ王国が襲われた時、サーナ様はミリアン殿を出産したばかりだった。そなたを見た時、サーナ様の生き写しとばかりの美しい姿に、まさかという思いが止まらなかったが……わしは奇襲の中、必死で乳飲み子を抱えたサーナ様を城の裏口から逃がした。忘れもしない、あの日の夜は嵐で大雨だった……ミリアン殿、よくぞご無事で」
ラウラスは鼻を赤くしてずっと鳴らし、ミリアンの腕の中で様子をじっと見つめている緑竜をそっと抱きかかえた。
「さ、ここはふたりだけにしてあげなさい。お前の好きなカリムルの実をあげよう」
すると、緑竜は嬉々として鳴き声をあげ、ラウラスとともに温室を後にした。
ふと、温室の外を見てみるとすでに日が暮れかけていて、西の空がほんのり藍色に染まり始めている。
「ミリアン、連れていきたい場所があるんだ」
「連れていきたい場所?」
「ああ。許された者にしか入ることのできない特別な所だ」
――許された者にしか入ることのできない場所。
ミリアンには皆目見当もつかず、レイに手を取られて後に続いた。
ラウラスは鼻を赤くしてずっと鳴らし、ミリアンの腕の中で様子をじっと見つめている緑竜をそっと抱きかかえた。
「さ、ここはふたりだけにしてあげなさい。お前の好きなカリムルの実をあげよう」
すると、緑竜は嬉々として鳴き声をあげ、ラウラスとともに温室を後にした。
ふと、温室の外を見てみるとすでに日が暮れかけていて、西の空がほんのり藍色に染まり始めている。
「ミリアン、連れていきたい場所があるんだ」
「連れていきたい場所?」
「ああ。許された者にしか入ることのできない特別な所だ」
――許された者にしか入ることのできない場所。
ミリアンには皆目見当もつかず、レイに手を取られて後に続いた。