国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
ミリアンが口ずさもうと息を吸い込んだその時。ガタン!と突如、外から聞こえた大きな物音が、幸せなひとときを一変させた。咄嗟にサーナが窓の外に視線を向けると、今まで浮かべていた柔らかな笑顔がすっと消えた。そしてその表情は徐々に険しいものに変わり、一体どうしたのかとミリアンはきょとんとして母を見つめた。
「ミリアン。クローゼットの中に隠れて、お母さんがいいって言うまで出てきてはだめよ?」
「誰か来たの? ロダンおじいさん?」
「いいから早く!」
部屋の一番奥にあるクローゼットの中へ入るように急かされて、わけがわからず声を掛けようとした時には、すでに扉を閉められてしまった。
(はぁ、クローゼットの中は真っ暗。あの物音は、きっと誰かお客さんが来たんだ。ロダンおじさんは夜に会いに来てくれるって言ってたものね)
もしかしたら、母はきっと誕生日だから自分を驚かせようとしているのかもしれないと、子供だったミリアンはそんなことを考えながら、ふふふ……と小さな笑みをこぼして胸を弾ませていた。
「ミリアン。クローゼットの中に隠れて、お母さんがいいって言うまで出てきてはだめよ?」
「誰か来たの? ロダンおじいさん?」
「いいから早く!」
部屋の一番奥にあるクローゼットの中へ入るように急かされて、わけがわからず声を掛けようとした時には、すでに扉を閉められてしまった。
(はぁ、クローゼットの中は真っ暗。あの物音は、きっと誰かお客さんが来たんだ。ロダンおじさんは夜に会いに来てくれるって言ってたものね)
もしかしたら、母はきっと誕生日だから自分を驚かせようとしているのかもしれないと、子供だったミリアンはそんなことを考えながら、ふふふ……と小さな笑みをこぼして胸を弾ませていた。