国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「頭を上げろ、立礼を許す。立て」
レイは冷たく老体のロパに言い放つ。ロパは国の長であるレイの威厳に気圧され、ゆらりと立ち上がると蒼白な顔を現した。
「ロパ様、私――」
「ミリアン。あぁ、お前はなんてことをしてくれたのだ」
(え……? ロパ様?)
ロパに抱きしめられた時、久々に味わう暖かさを感じた。辛い思いをしたね、といつもの笑顔で慰めてくれると思っていた。しかし、ロパに向けられたその視線は、怒りと失望を滲ませ、言いかけたミリアンの言葉を切った。
「すみません、ロパ様」
(私、何考えてるんだろう……ロパ様のお叱りを受けるのが先だというのに)
あまりの心細さで、ついロパに甘えようとしてしまった。まるで子どものようだ、とミリアンは俯いて自己嫌悪になった。そしてミリアンもロパもなにも言葉を発せず、気まずい雰囲気が漂い始めた。そんな様子をじっと黙ってレイが見つめている。すると、やれやれというように短くため息をついて言った。
レイは冷たく老体のロパに言い放つ。ロパは国の長であるレイの威厳に気圧され、ゆらりと立ち上がると蒼白な顔を現した。
「ロパ様、私――」
「ミリアン。あぁ、お前はなんてことをしてくれたのだ」
(え……? ロパ様?)
ロパに抱きしめられた時、久々に味わう暖かさを感じた。辛い思いをしたね、といつもの笑顔で慰めてくれると思っていた。しかし、ロパに向けられたその視線は、怒りと失望を滲ませ、言いかけたミリアンの言葉を切った。
「すみません、ロパ様」
(私、何考えてるんだろう……ロパ様のお叱りを受けるのが先だというのに)
あまりの心細さで、ついロパに甘えようとしてしまった。まるで子どものようだ、とミリアンは俯いて自己嫌悪になった。そしてミリアンもロパもなにも言葉を発せず、気まずい雰囲気が漂い始めた。そんな様子をじっと黙ってレイが見つめている。すると、やれやれというように短くため息をついて言った。