国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい

「この女はなにも知らなかった。情状酌量の余地がある。釈放された際、この女の身元引受の有無を確認しよう」

レイは視線をロパに向ける。しかし、ロパは目を泳がせ困惑して言葉を探しているようだった。

「私の言ったことが聞こえたか？」

ずいぶんと長い間、ロパの返事を待った。なかなか口を開こうとしないロパにレイは再度確認するように尋ねた。

（いったいどうしたというの？　ロパ様……もしかして具合が悪いんじゃ）

ミリアンがそう怪訝に思っていると、ロパの口から信じられない言葉が飛び出した。

「……国王陛下、この娘の身元引受を辞退します」

「ッ――!?　ロ、ロパ様？」

（なにを言っているの？　どうして……？）

予想だにしていなかったロパの発言に耳を疑う。ミリアンは無意識に震える口元を手で押さえ、「なぜ？」「どうして？」と心の中でなんども問う。

「ロ、パ……様、いったい……どういう――」