国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
この二十八年の間、自分のことを何もかも知っているくせに、いまさら敬われるのも煩わしい。とレイは密かに感じていた。また、セルゲイを兄のようにも慕っていた時期もあったが、国王の位に就いた途端にセルゲイはレイに大きな壁を作ってしまった。それも、彼なりの身分のわきまえ方なのだろうが。
「牧師はミリアンという女よりも、結局自分の都合を選んだな。だから、私が引き取ることにした」
そう言うと、セルゲイは驚きを隠せないといったふうに絶句して目を見開いた。
「レイ様、あの女は陛下のお命を奪おうとした者ですぞ? そのような者を引き取るなどと……まさか情が湧いたのでは?」
ロパの発言は意外だった。てっきり、今すぐにでも身元を引き取ると言い出すのかと思えば、それを拒否した。裏切られた時の絶望したあのミリアンの表情は、気まぐれに自分の物にすると言い出してしまうほどに、なぜか心が揺れた。
「牧師はミリアンという女よりも、結局自分の都合を選んだな。だから、私が引き取ることにした」
そう言うと、セルゲイは驚きを隠せないといったふうに絶句して目を見開いた。
「レイ様、あの女は陛下のお命を奪おうとした者ですぞ? そのような者を引き取るなどと……まさか情が湧いたのでは?」
ロパの発言は意外だった。てっきり、今すぐにでも身元を引き取ると言い出すのかと思えば、それを拒否した。裏切られた時の絶望したあのミリアンの表情は、気まぐれに自分の物にすると言い出してしまうほどに、なぜか心が揺れた。