極上恋夜～この社長、独占欲高めにつき～

「お前、あっさり逢沢から俺に乗り変えたこと、忘れてないか？　恨まれてないとでも？　合鍵複製されて夜中に襲われても知らないからな」

「あはは、まさかそんな」

笑い飛ばしたものの、恋愛には意外と積極的な逢沢さんだ、ものすごく恨まれていたりして……。

まさか、ね……？

「そもそも私、逢沢さんとは付き合っていませんでしたし、そんなに恨まれているとは……」

「ほぉぉーう。お前、夕べ、自分で言ってたよなぁ。逢沢と付き合ってるから、俺のことは忘れたとかなんとか」

ギクリ、と私は硬直した。そういえば、強がってそんなことを言ってしまったんだ……。

「う、嘘です。すみませんでした……」

「……俺より、逢沢に言え」

神崎さんはちょっとだけ声を低くして、ちらりと冷たい視線をよこす。

「お前にそんなつもりはなかったのかもしれないが、家に送らせるってことは、少なからず男に期待を持たせるってことなんだから」

「え……」