極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
「もしかすると、再び君の前に姿を現したのも、君を利用するためかもしれない」

「利用……?」

「君が相手なら、契約を有利に進められると踏んでいるのかもしれない。あるいは、内部の情報を聞き出そうと企んでいるのかも――」

逢沢さんの不穏な言葉が胸に突き刺さり、ズキンと痛みが走る。

そんなわけない、と心の片隅で訴えながらも、まさかという考えが頭をよぎった。

『愛している』と言ってくれたあの言葉は、もしかして、私を利用するための嘘……?

この二日間、彼と過ごした時間は本物で、とてもそんな思惑があったようには思えない。

とはいえ、どうして私を恋人として選んでくれたのだろうという疑問には、いまだ答えが見つからずにいる。

利用するために、彼は私を選んだの……?

胸の奥底から湧き上がってくる不安を止められない。
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