極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
「彼の言葉を鵜呑みにするな。充分警戒するように」

辛辣な忠告を残して、逢沢さんは会議室を出ていってしまった。

ぽつんとひとりその場に残された私は、混乱する頭を落ち着けようと、必死に神崎さんとの思い出を振り返る。

その「愛してる」が本物だったという確証がほしい。

まるであやまちのように体を重ねてしまったあの一夜から、なんの連絡もないまま一年がすぎ去り、気まぐれのように私の元に戻ってきては、この身を激しく求めてきた。

強引すぎて、嘘みたい。

神崎さんは、私を迎えに来てくれたんだよね……?

少しつつかれただけで、気持ちが激しく動揺してしまうのは、夕べ、神崎さんと親しそうにする女性を見てしまったからだろうか。

本当に私は、神崎さんに愛されているの? そんな答えの出ない問いで、自分の首を絞めるのだった。
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