極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
私がちゃんと説明しなかったせいで、完全に勘違いさせてしまったみたいだ、神崎さんをまるで悪者みたいに言う。

「違うん……です……神崎さんじゃなくて……私が……」

「でも、君を傷つけるのは、いつも神崎だよ」

自分の胸の中に私を押し込め、それが正しいかのように刷り込む。

……違うのに。私がダメなだけなのに。

「もういいよ。帰ろう。家まで送っていくから」

逢沢さんの言葉にハッとさせられて、私は彼の胸の中から飛び出した。

その気もないのに家まで送らせるのは残酷だと、神崎さんに指摘されたばかりだ。

「いえ。ちゃんとひとりで帰れますので」

唇をかみしめて頑なに言うと、逢沢さんは「これ以上、心配させないでくれ」と嘆息した。
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