極上恋夜～この社長、独占欲高めにつき～

「きゃっ」

靴を履いたまま廊下へ尻餅をつく。顔を上げると、逢沢さんが静かにこちらを見下ろしていた。

彼はゆっくりとしゃがみこみ、私の膝の横に手をつくと。

「あ、逢沢さん……？」

私の上へ這うようにして近づいてきた。

「最終的には、どこまでが意地で、どこまでが本当の気持ちかわからなくなってしまったよ。神崎に傷つけられて泣いている君があまりに不憫で、黙って見ていられなかったのは本心だ。俺なら、きっと、君を悲しませることなんてしない。もっと幸せにしてやれる。それを神崎に突きつけることであいつを苦しめてやりたかった」

逢沢さんが目の前まで近づいてきて、私の肩を掴んだ。冷徹な眼差しに私は声をあげることも出来ず、息を殺す。

「神崎よりも俺がいいって、言わせてみせる」

そう宣言するなり、私の体を廊下へと圧しつけた。