極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
「きゃあっ!」

逢沢さんの体重が重なって、身動きがとれなくなる。

腕を掴まれて床へと圧しつけられ、抵抗することも出来なくなってしまった。

怖い――。どうしてこんなことを? 混乱で頭が真っ白になる。

「いい加減、俺で妥協したらどうだ?」

「いやっ……やめ――」

「あきらめろ。神崎のそばにいても、君は不幸にしかならない」

彼の手が額に伸びてきて、私の顔を床へと圧しつけた。

端正な、けれど今は猟奇をちらつかせたその顔が、ゆっくり私の方へと近づいてくる。

「逢、沢、さん……」

「目を瞑って」

いやだ、と心の中で抗うけれど、震えてうまく力が入らない。

神崎さんの言う通り、私は逢沢さんのことを信頼しすぎていたのかもしれない。力づくでどうこうしようとする人だなんて、考えてもみなかった。

これまで私の目に映っていた逢沢さんは、優しくて、誠実で、公平で、紳士的な人だったのに。こんなことするなんて……。
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