極上恋夜～この社長、独占欲高めにつき～

神崎さんは、怒りにまかせてもう一度、逢沢さんの体をダンと背後に叩きつける。

「二度と彼女に触れるんじゃない……！」

しかし、逢沢さんは喉を締めつけられながらも、負けじと神崎さんを睨みつけた。

「……なにを偉そうに。愛する人ひとり守れずに泣かせてばかりいるくせに」

「この――」

逢沢さんの挑発に神崎さんはギリッと歯がみして、拳に力を込める。

「神崎さん！！」

今にも殴りかかりそうな彼の背中に、私はしがみついた。

「私は……大丈夫ですから……」

私の制止に、神崎さんはわずかに冷静になったようで、逢沢さんの襟元を掴む手を離す。

神崎さんの手を逃れた逢沢さんは、カハッと小さく咳込んで喉を押さえると、息を切らしながら、怒りの形相を神崎さんへ向けた。