極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
「……神崎。結局お前は、手に入れるだけ入れたら満足して捨てるんだろう。彼女のように」

逢沢さんのただならぬ剣幕にゾッと背筋が寒くなった。

過去になにがあったのだろう? 彼女って……誰?

「なにを勘違いしているのか知らないが――」

神崎さんは私を守るように腕の中に引き寄せながら、毅然とした態度で逢沢さんと向き合う。

「俺が女性と別れを決意するのは、相手と誠実に向き合った結果だ。お前にどうこう言われる筋合いはない」

「それでも、彼女は泣いていた! お前とさえ付き合わなければ……!」

「俺にまったく非がないとは言わない。これまで付き合ってきた女性と、幸せな結末を迎えることが出来なかったのは確かだ。だが、今回もそうだとは思わない」

私の体に回す腕に、ぎゅっと力が込められる。見上げれば神崎さんの、嘘のない力強い眼差しがそこにあって……。
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