極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
意味がよくわからなかったけれど、真剣な彼を見て、きっと深い理由があってのことだろうと思った。

「はい」と私は頷く。五年間も想い続けてきたのだ。今さら半年長引いたって、たいしたことない。

「三花」

彼は、ふんわり頬を緩めると、安心したのだろうか、今まで見せたことのないような優しい笑みを浮かべて、私の額にそっと口づけた。

「愛してる」

彼のささやきに、本当にこれは夢なのではないかと思った。

ほしがっていたものを全部与えてくれる彼が、嬉しすぎて怖かった。

彼に包まれて眠りに落ちた夜。

次に目を覚ましたときには、すでに朝になっていて、隣で寝ていたはずの彼の姿はなくなっていた。

本当に幻でも見せられていたような気分だ。彼との一夜は現実だったのだろうか。

不安にかき立てられていると、テーブルの上に一枚のメモを見つけた。
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