極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
のんびりしている暇はない、納品の日程が容赦なく迫ってくる。

システムのカスタマイズ販売だけに、顧客ごとに納品物は様々。

それに、一回納品して終わりではない。こちらの不備で不具合が発生した個所の修正用の追加納品や、実際にシステムを使ってみて、使いにくいと感じたところを改良していくアップデート納品など、種類と手順はさまざまだ。

そのうえ、サーバーやクライアントマシンのバージョン、社内LANの状態、アクセス数や負荷のかかり具合など、顧客によって条件はバラバラで、システムの導入方法も顧客に合った形に展開する必要がある。

何カ月、あるいは年単位の時間をかけて、顧客の環境を調査して下調べを進めてきたのだ。神崎さんがいないからといって、手落ちがあってはいけない。

増えた案件と資料作りに翻弄され、今日も帰宅は終電になりそうだ。

「どうしてこんな目に……」
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