極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
「ごめんなさい……やっぱり私……」
彼のことが、忘れられない。五年間もずっと、想い続けてきた人だもの。そう簡単に吹っ切れるわけがない。
たとえ可能性が1パーセント以下だったとしても、待っていたいんだ。
「咲島さん」
逢沢さんの手がテーブル越しに伸びてきて、私の頬に触れ、潤んだ目尻をそっと拭った。
「今は、あいつを忘れられなくてもいい。いずれ俺が忘れさせるから」
私はふるふると首を横に振る。やっぱり、中途半端な気持ちで逢沢さんと付き合うことなんて出来ない。
それが、半年間、少しづつ考えてきて出した答えだから。
「まったく……」
逢沢さんは呆れたようにため息をついて、運ばれてきたサラダに口をつける。
「さっさと忘れてしまえば楽になれるのに。なんて不器用な人だ」
自分でもそう思う。
きっとここで逢沢さんの手を取ってしまえば、それはそれで幸せになれるに違いない。
それが出来ないのは、まだこの体が神崎さんの温もりを覚えているからだ。
一年経った今でも彼の素肌の感触が忘れられない。
あの熱を帯びた瞳を、声を、私の頬に触れた彼の漆黒の髪の感触を、今でも鮮明に覚えているからだ。
彼のことが、忘れられない。五年間もずっと、想い続けてきた人だもの。そう簡単に吹っ切れるわけがない。
たとえ可能性が1パーセント以下だったとしても、待っていたいんだ。
「咲島さん」
逢沢さんの手がテーブル越しに伸びてきて、私の頬に触れ、潤んだ目尻をそっと拭った。
「今は、あいつを忘れられなくてもいい。いずれ俺が忘れさせるから」
私はふるふると首を横に振る。やっぱり、中途半端な気持ちで逢沢さんと付き合うことなんて出来ない。
それが、半年間、少しづつ考えてきて出した答えだから。
「まったく……」
逢沢さんは呆れたようにため息をついて、運ばれてきたサラダに口をつける。
「さっさと忘れてしまえば楽になれるのに。なんて不器用な人だ」
自分でもそう思う。
きっとここで逢沢さんの手を取ってしまえば、それはそれで幸せになれるに違いない。
それが出来ないのは、まだこの体が神崎さんの温もりを覚えているからだ。
一年経った今でも彼の素肌の感触が忘れられない。
あの熱を帯びた瞳を、声を、私の頬に触れた彼の漆黒の髪の感触を、今でも鮮明に覚えているからだ。