極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~


翌朝。いつものように私が出社すると、オフィスが妙な賑わいを見せていた。

女性社員の黄色い悲鳴と、男性社員の驚嘆の声。

営業二課のフロアの真ん中で入り乱れている人たちの間にひょいと体を突っ込むと、私の姿を見つけた加藤さんが、大きな瞳をいっそう見開いて私を呼び止めた。

「咲島さん! これ、見て!」

そう叫びながら差し出してきたのは、一冊の雑誌だった。

週刊誌だろうか? それにしては真面目そうな構成をしているから、もしかしたらビジネス誌かもしれない。

「なになに? ……大手総合商社『神崎コーポレーション』に新社長が就任? 若きカリスマに今後のビジョンをインタビュー?」

そこには小さくではあるが、記事にある若きカリスマこと新社長の写真も載っていた。

それを見て私は目を丸くする。
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