極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
停車と同時にシートベルトを外した彼が、助手席へと身を乗り出す。

左手を助手席の肩につくと、右手で私の左頬を手繰り寄せ、押さえつけるように熱く唇を塞ぐ。

ねっとりと絡みつくように、彼の舌が私の口内をまさぐる。

あっという間にぼうっと意識が遠くなり、抵抗すらできなくなった。

そういえば、私、酔っぱらってたんだ。

ここに辿り着くまで気を張っていたせいか、意識がしっかりしていたけれど、誰の邪魔もないこの静かな空間で口づけをもらったら、気が抜けてとろけてしまった。

「んっ……うぅ……ん」

自分の吐息が熱い。アルコールの香りが混じっている。

「俺まで酔わされそうだ」

薄暗い中、彼の端正な顔に影が差して、怖いほど色めいている。官能的な瞳にこのまま食べられてしまいそうだ。
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