極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
「お前、俺がいない間に、逢沢のものになったんだな」

私の下唇にかみつきながら、神崎さんが忌々し気に吐き捨てる。

もがく私の顎を押さえつけ上向きにさせると、今度は吸血鬼のように首筋にかじりついた。

「あっ、いやぁ……っ」

酔っているせいだろうか、麻酔がかけられているように痛みを感じない。

彼の舌と唇と、少し硬い歯の感触を感じながら、私はシートの上でみっともなく喘ぐ。

情けない私の惚けた姿も、お酒のせい……ということにしてもらえないだろうか。

「奪い返してやる。お前の全部……」

神崎さんが、私のブラウスの一番上のボタンに手をかける。

ひとつ、ふたつと外して、三つ目に辿り着いたとき、私の鎖骨の辺りを食べようと彼が顔を近づけた。

「こ、こんな、場所で……誰か来たら……」

「場所を考えられないほどに俺を煽ったのは、お前だろ」

「待っ……」
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