極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
ひう、と喉の奥で悲鳴が上がる。夢中になりすぎて呼吸を忘れていたのだろうか、急に酸欠になって、パクパクと空気を求める。

「……誤解です……私、逢沢さんとは、なにも……」

「どうでもいい。お前が過去に誰と寝ようが、今の俺には関係ない」

「嘘……」 

どうでもいいって、顔してない。

だからこんなに急いて私を求めて来るんでしょ?

「神崎さ……待って、お願い……」

「……京吾、じゃなかったのか? あの日、生意気に俺をそう呼んでたよな」

「京吾ぉ……」

力を失くした腕が、ダン、と窓ガラスに当たる。

気持ちがよくて、眩暈がする。息ができなくて、意識が遠のく。

「京……吾……」

彼のぬくもりに包まれながら、私は一年ぶりの幸せに満たされて、意識を失くした。
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