極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
だるそうに立ち上がると、彼は白いシャツに袖を通した。

服を着てはくれたけれど、一度裸を見てしまうとだめみたいだ。

その薄い布地の下にあの体があると思うと、緊張と羞恥で顔が真っ赤になってしまう。

いつも以上に気だるい表情は、朝だからだろうか。憂いを帯びていて、手の届かない大人の男って感じがする。

ドキドキする……。

鼓動を高鳴らせながら、うしろ姿をまじまじと見つめていると。

「……なんだよ?」

突然振り向いた彼とバッチリ目が合ってしまった。

しまった……! 私はうろたえて目を逸らす。

「な、なんでもありません……!」

「……ふぅん」

彼は立ったまま腕を組んで、仕返しとばかりに私をじろじろと観察する。

な、なんで見つめてくるの……!?

必死に目を逸らす私に、彼はフッと吹き出したかと思ったら、こちらに近づいてきて人差し指で私の顎をくいっと押し上げた。

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