極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
「なに考えてるか、バレバレだ」

二ッといやらしく口元を歪めて、とびきり意地悪な表情を作る。

「な、な……」

バレバレ!? 彼の体が頭から離れなくて悶え苦しむ私の胸の内がバレバレなの!?

顔を赤くしてわななく私を、彼は「ばーか」と嬉々として蔑むと、軽く唇にキスを落として部屋を出ていってしまった。

し、心臓に、悪い……。

ベッドに手をついてはぁはぁと荒くなってしまった呼吸を落ち着けていると。

「シャワー、浴びるだろ? これ、タオル」

突然彼が部屋に戻ってきて、私にバスタオルを放ったから、反応することすら出来ず頭からタオルを被ってしまった。

「その間に、朝食作っておいてやるから」

ぶっきらぼうにそう告げて、再び姿を消してしまう。

頭からタオルを引き剥がして、私は、はぁぁ、とため息をつく。

本当に、心臓に悪いよ。

鼓動を落ち着けることすら出来ないまま、私はバスルームへと向かった。
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