私と英雄の物語
「そりゃあ気まづいよ。」
俯きながらそう答えると
「じゃあなんでそんなに普通なんだよ」
こんな冷たい声は聞いたことがない
「トラウマじゃないのかよ」
「桜夜と水葉に言ってただ…」
「トラウマなんだよ!」
綾人の言葉を遮ってしまった。
だってそんなに私が嫌いだったんだ。って思ったから…
「そうだよ。本当はもう、関わりたくないし顔だって見たくないんだよ…」
「じゃあなんでなんだよ!」
私の言葉も遮られてしまった。
「綾人がいつも通りにしてくれるからっ。前みたいに私に笑いかけてくれるからっ。少しでも希望を夢見てしまうの!」
気づけば涙が頬を伝って屋上の冷たいコンクリートに付いていた。