はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
放課後、職員室に向かう途中で蒼に会った。



「桐生、ついて来い。」



言われるままに、蒼の後ろを歩く。



着いた先は、数学科教材室。



蒼はキャビネットを開けると、今朝没収したチョコを私に渡した。



「悪かったな、こうでもしないと収拾つきそうもなくてさ…。」



蒼は、私と坂下を護るために没収って手を使ったのか…。



そうとはつゆ知らず、1日中ずっと蒼の悪口を散々喚いていた自分が恥ずかしくなった。



蒼、ゴメン…。



私は心の中で謝りながら、受け取ったチョコの包装を解く。



「鬼マサ、このチョコ美味しいんだよ。

一緒に食べよ?」



「それ、坂下先生にあげるものだろ?

ちゃんと渡してこいよ、馬鹿。」



私は、首を横に振る。













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