はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
活動日じゃない今日は、坂下だけが部室にいた。



「ワカ、今日はもう来ないかと思っていました。」



坂下の淋しそうな表情が、一気に明るくなった。



それを見てたら、チョコを処分しなくて良かったと思った。



「パパ、これ…。」



私の手から封筒を受け取った坂下は、早速中身を見る。



「ホントは、ちゃんとラッピングされていたんだけどね…。」



だけど、坂下はそんなことには拘らないらしい。



チョコを大事そうにバッグにしまうのと引き換えに、何かを取り出した。



「ホワイトデイは1ヶ月後ですが、可愛いワカを待たせたくはありませんので…。」



坂下が私にくれたのは、キャンディ。



しかも、棒に顔くらい大きい渦巻き状の飴がついてる、いわゆる巨大ペロペロキャンディ。



デカっ!



っつーか…。



「また、小さい子扱いするんだから…。」



少しだけ、拗ねてみせる。



「不快、ですか?」



坂下がバレンタインのお返しに、その場で飴玉をあげてるのは結構知られている話。



このキャンディは、私だけ特別だって分かるから…。



「…嬉しい。」



「それなら、良かったです。」



坂下と2人で、微笑み合った。











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