はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
精進落としの後、ジイサンの部屋に呼び出された。



家族が集まる際、着席する位置がしっかり決められているため、私はいつもの場所…父よりも下座に座る。



「若菜、相変わらず作法も分からんのか?」



この馬鹿者!とでも言うように、ジイサンが言い放つ。



「あなたが座るのは、ここでしょ?」



母が、自分の隣を指差す。



父の上座に当たる場所、今までお兄ちゃんが座っていたところだ。



一旦そこに座ってしまえば、私は自分がこの家の跡継ぎになるのを認めたことになる…。



跡なんて継ぐ気無い私は、断固拒否するつもりだ。



一触即発の雰囲気の中、取りなしたのは父だった。



「大雅くんがあんなことになったばかりで、若菜ちゃんも戸惑っているのでしょう。

後で、言って聞かせますから…。」



「全く、お前が甘やかすから…。」



ジイサンは渋々、了承した。



書生が部屋に入ってすぐ、ジイサンが話を切り出す。



「大雅の四十九日が済み次第、若菜と籍を入れるように。」



「謹んで、お受けいたします。」



書生は、一礼して答える。



はぁ?



アンタねぇ、何引き受けてるのよ!



一回りも年違うとか、ありえないでしょ!!










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