はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
行先は、既に放課になった学校。



書道具を取りに来た私は、真っ直ぐ部室へ向かう。



活動日じゃないから、鍵がかかってた。



職員室、行かなきゃダメか。



今日もサボったし、担任と顔を合わせたら面倒だな…。



そう思いながら、部室のドアから回れ右をした私の目に、担任よりも会いたくない人が映った。



1ヶ月程前の出来事が、私の心を抉る。



「桐生さん、話があります。」



部室の鍵を開けた坂下が、中に入るよう促した。



…話?



私は坂下に勧められた椅子に座り、言葉を待った。



「昨日、部長に退部届を出したそうですね。」



あぁ、そのことか。



私は何を期待したんだろう…。



部長が泣きながら止めるのも聞かず、退部届を出した。



「部活動は、必ず所属することになっています。

どうしても退部するというなら、その前に入るところを決めてください。」



探したけど、全部断られた。










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