はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
まさか…って、坂下を知っているんだろうか?



「さてと、若菜ちゃんのヤケクソ作品に表装済ませちまうか…。」



なんて言いながら、夏目が作業を始めたから聞きそびれた。



悪かったわね、ヤケクソで…。



それにしても、夏目って奴は私の心を読むのが上手い。



すっごく気に入らないけど…。



ちょっと、気になる。



私は、夏目の作業をボーっと見ていた。



ホントは自分で、表装までキッチリやるつもりだったんだけど…。



コイツ、表装するの結構上手いじゃん。



任せても、大丈夫そうだ。



「漱石みたいな男を、好きになれば良かったかな…。」



ポツリと呟くと、マスターがボソッと言った。



「文ちゃん、彼女いるよ。」



若い人って意味であって、別に夏目が良いなんて言って無いし!







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