はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
愴
・若菜サイド
病院の前で深夏と別れ、私は1人でトボトボ歩いて家に向かう。
「明日の放課後、現像するから付き合ってよ。」
深夏がそう言ったってことは、明日早々には記事にしないということなのだろうか。
こんなスクープだし、すぐに飛びつくと思ったんだけどな…。
ぼーっと歩いていると、すぐそばに黒塗りの高級車が1台停まった。
ウチのジイサンも運転手付きでそれなりの車に乗ってはいるけど、この高級車には敵わない。
すっと窓が開けられ、顔を出したのは…。
「ごきげんよう、若菜さん。」
翠子だった。
彼女の顔を見た途端、なぜだか分かんないけど涙が溢れてきた。
こんな道端でいきなり泣かれても困るはずなのに、翠子は嫌な顔ひとつせず
「若菜さんと一緒に、お茶をしたいと思っていましたの。
今から、いらしてくださる?」
なんて、優しく声をかけてくれた。
「しかし、翠子様…。」
翠子付きの使用人が、口を開きかけた時…。
「若菜さんは、私のローザリーです。
私の交友関係に、口出しなさらないで。」
ピシャリと言い放った。
まぁ、翠子ん家くらいの格式があれば、付き合う人間を人柄よりも家柄で選びたいところなのだろう。
翠子の行動にも口出そうとするくらいだから、教育係も任されているかもしれない。
翠子の屋敷に到着した際、ニコリともしない使用人に呼び止められた。
「帰りはご自宅まで送らせていただきますので、場所を教えていただけますか?」
既に帰りの話が出るのだから、ホントに歓迎されてないな…。
「明日の放課後、現像するから付き合ってよ。」
深夏がそう言ったってことは、明日早々には記事にしないということなのだろうか。
こんなスクープだし、すぐに飛びつくと思ったんだけどな…。
ぼーっと歩いていると、すぐそばに黒塗りの高級車が1台停まった。
ウチのジイサンも運転手付きでそれなりの車に乗ってはいるけど、この高級車には敵わない。
すっと窓が開けられ、顔を出したのは…。
「ごきげんよう、若菜さん。」
翠子だった。
彼女の顔を見た途端、なぜだか分かんないけど涙が溢れてきた。
こんな道端でいきなり泣かれても困るはずなのに、翠子は嫌な顔ひとつせず
「若菜さんと一緒に、お茶をしたいと思っていましたの。
今から、いらしてくださる?」
なんて、優しく声をかけてくれた。
「しかし、翠子様…。」
翠子付きの使用人が、口を開きかけた時…。
「若菜さんは、私のローザリーです。
私の交友関係に、口出しなさらないで。」
ピシャリと言い放った。
まぁ、翠子ん家くらいの格式があれば、付き合う人間を人柄よりも家柄で選びたいところなのだろう。
翠子の行動にも口出そうとするくらいだから、教育係も任されているかもしれない。
翠子の屋敷に到着した際、ニコリともしない使用人に呼び止められた。
「帰りはご自宅まで送らせていただきますので、場所を教えていただけますか?」
既に帰りの話が出るのだから、ホントに歓迎されてないな…。