はつ恋【教師←生徒の恋バナ】

・深夏サイド

翌週、誰にも知られることなく坂下先生に会うため、学校をサボった。



ノックをすると、中から



「どうぞ。」



って声が聞こえた。



私の姿を認めた坂下先生は、とっさに身構える。



まぁ、過去に一悶着ありましたし?



坂下先生は笑顔を作ると、私に言った。



「神谷さん、あなたがここにいらっしゃるとは…どういう風の吹き回しですか?」



「ってか、何で私がココを突き止めたのか疑問じゃないの?

クラスのコたちに口止めしてるみたいだから、ほとんどの生徒は入院先知らないもんね。」



「大方、蒼先生の後をつけてきたのでしょう?」



私はその言葉に、首を横に振る。



ってか、私がココを突き止めた経緯なんて、今はどうでもいい。



私は肩にかけたスポーツバッグの中から例の写真を出すと、坂下先生の目の前に突き出した。



それを見た瞬間、坂下先生の顔色が変わった。



「あなたという人は、一度ならず二度までも…。

私を脅迫して、楽しいですか?」



「別に、コレをネタに使うつもり無いし。

どうせ、もうすぐ死んじゃうんでしょ?」



「確かにその通りですが、そこまでご存じでしたか…。」



「まぁね、ホントはその写真使って号外出すつもりだったんだけど…。

予定が狂っちゃって。」



私はそう言いながら肩をすくめると、言葉を続ける。



「自分でもスゴく良く撮れたって思ったから、あげる。

それにしても、アンジェ先輩って艶めかしいよねー。」



坂下先生は私の言葉に呆れながらも、軽く微笑んだ。








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