はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
スピードを緩めることなく駅まで走ると、電車に飛び乗って学校へ向かった。
こんな時に学校行くか?って自分にツッコミ入れたいくらいだけど、1人でいると余計に気持ちが沈みそうだ。
教室に向かう途中、蒼に呼び止められた。
「鬼マサが2年の教室ウロウロしてるなんて、珍しいね。」
「まあな。」
「まさか、待ち伏せ?
なんか気味悪いなぁ…。」
「そう言うなよ、桐生に大事な話があるんだ。」
赤い目をした蒼の『大事な話』を聞くのは嫌だったけど、肩に手を回されて…。
「とりあえず、場所を変えよう。」
なんて言われたら、従うしかなかった。
屋上につながる階段の前まで来ると、蒼が立ち止まった。
私と向かい合うと、蒼が口を開いた。
「桐生、いずれお前の耳に入ると思うが…、その前に伝えておきたい。
坂下先生が、今朝…。」
「聞かない、聞きたくない!
私は何も知らないし、知りたくもない!!」
蒼の言葉を遮るように、私は耳を塞ぎ、叫ぶ。
だけど、私の抵抗なんて蒼には効かない。
手首を掴まれ、塞いでた耳から簡単に離された。
「桐生、ちゃんと聞け。」
「言わなくていい。
今朝、アンジェ先輩と一緒に病院から出てきたの知ってる。」
選ばれなかった私は、贅沢をいうつもりはない。
もう一度『ワカ』って呼んで、頭を撫でて欲しかったけど…。
そこまで望めないことは、分かってる。
ただ、一目会えたらそれで良かったのに…。
蒼たちは、最期まで看取ったんだ。
ズルいって思っても、罰は当たらない筈だ。
蒼は相変わらず手首を掴んだまま、私を見据えて言った。
「僕は、桐生に謝らなければならない。」
謝る…って?
こんな時に学校行くか?って自分にツッコミ入れたいくらいだけど、1人でいると余計に気持ちが沈みそうだ。
教室に向かう途中、蒼に呼び止められた。
「鬼マサが2年の教室ウロウロしてるなんて、珍しいね。」
「まあな。」
「まさか、待ち伏せ?
なんか気味悪いなぁ…。」
「そう言うなよ、桐生に大事な話があるんだ。」
赤い目をした蒼の『大事な話』を聞くのは嫌だったけど、肩に手を回されて…。
「とりあえず、場所を変えよう。」
なんて言われたら、従うしかなかった。
屋上につながる階段の前まで来ると、蒼が立ち止まった。
私と向かい合うと、蒼が口を開いた。
「桐生、いずれお前の耳に入ると思うが…、その前に伝えておきたい。
坂下先生が、今朝…。」
「聞かない、聞きたくない!
私は何も知らないし、知りたくもない!!」
蒼の言葉を遮るように、私は耳を塞ぎ、叫ぶ。
だけど、私の抵抗なんて蒼には効かない。
手首を掴まれ、塞いでた耳から簡単に離された。
「桐生、ちゃんと聞け。」
「言わなくていい。
今朝、アンジェ先輩と一緒に病院から出てきたの知ってる。」
選ばれなかった私は、贅沢をいうつもりはない。
もう一度『ワカ』って呼んで、頭を撫でて欲しかったけど…。
そこまで望めないことは、分かってる。
ただ、一目会えたらそれで良かったのに…。
蒼たちは、最期まで看取ったんだ。
ズルいって思っても、罰は当たらない筈だ。
蒼は相変わらず手首を掴んだまま、私を見据えて言った。
「僕は、桐生に謝らなければならない。」
謝る…って?