はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
「娘って、ホントだったんだ…。」



放課後、坂下が持ってきたアルバムを見ながら呟いた。



坂下と楽しそうな顔して写ってる娘は、ビックリするくらい私にそっくり。



仲良さそうで、いいなぁ…。



でも、気になることがある。



一緒に写ってる坂下が若いから、娘はもうちょっと大きくなってるはず。



それなのに、幼稚園より後の写真がない。



「娘って、今いくつくらい?」



ちょっと考えれば分かりそうなものなのに、聞くんじゃなかったと後悔した。



「5歳になる前に、亡くなりました。

生きていれば、高3になります。」



坂下は、私が持ってきたアルバムを捲りながら言った。



坂下は、私のアルバムをどんな気持ちで眺めてるんだろ?



「…ゴメン。」



坂下は顔を上げ、私を見た。



「何について…ですか?」



何って今聞いたコト…って思ったけど、よく考えたら、謝らなきゃいけないコトは山ほどある。



「あ、色々…。」



坂下はそれを聞くと、ふっと笑った。



「誤解は、解けたようですね。」



そう…みたい。





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