はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
真昼の太陽の光を浴びた海は、キラキラしてる。



そんな綺麗な景色を見ながら車の通りが少ない道を走っていたら、バイクの音が耳に障った。



しかも、数台のバイクがスピードを上げて近づいてくる。



最近、この辺りで暴走族が車を襲う事件があるって聞いた。



まさか、こんな昼間から!?



「ワカ。」



坂下に呼ばれて、バックミラーから視線を外した。



「少し怖い思いをさせてしまいますが、怖かったら目を閉じてください。

すぐに終わらせます。」



坂下はそう言うと、キッチリ整えた前髪を無造作に下ろした。



それが合図だったかのように、坂下は車のスピードを上げ始めた。



バイクもそれに追随し、鉄パイプのようなものを車に振りかざす。



坂下はそれを器用に避けていく。



だけど、既に車酔いしてる私には、それをスゴイ!なんて誉める余裕なんてない。



スピードを落とさずにいきなり左折して、二台のバイクが転倒した。



その後も細い道に入り、後続のバイクが障害物に激突するなどして撒いていく。



バイクがいなくなった時には、私はグロッキー状態だった。



坂下は薬局の駐車場に車を停めると、中に入っていった。



すぐに戻ってくると、私に小さな瓶を手渡してくれた。



「ワカ、酔った後でも効きますから、飲んでおきなさい。」



言われるままに飲んだ酔い止めの薬、なんだけど…。



「パパ、これ子供用…。」



私のために、よっぽど慌ててたみたい。








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