はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
体育教師に話すくらいなら、坂下に話した方がマシだ。



「私…胸無いでしょ?」



「ええ。」



確かに真っ平だけど、アッサリ肯定しないでよ!



私が上目遣いに睨みつけると、坂下は



「失礼しました…。」



と言って、咳払いをした。



「実は、まだセーリ来てないっていうのもあるんだけど…。

去年ホントに女なのか確かめるとか言われて、男子もいる中で同級生に水着脱がされて…。

それ以来、プールが嫌になって…。」



坂下の手が、頬に触れた。



いつの間にか、涙が溢れていたらしい。



「ワカ、辛い出来事を言わせてしまって、申し訳ありません。

補習のことは、私に任せてください。」



坂下はそう言うと、私の頭を撫でてくれた。









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