はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
次の瞬間、そのオジサンは消えて…



いたら、安っぽいドラマにでもなりそうなものだ。



だけど、オジサンは私の腕から手を放す気は無いらしい。



いきなり、大声をあげても良かったけど…。



きっと、後悔する羽目に陥るんだろうと思い直した。



「お…大声出されたくなかったら、放してくれない?」



私なりに、冷静に対処できたと思う。



緊張で、背中がピリピリする。



「失礼…いたしました。」



オジサンはそう言うと、手を放した。



今時、善人そうに見える奴ほど、平気で人殺しする世の中。



私は、全力疾走で講堂へ向かった。



変質者が平気で入れるなんて、この学校のセキュリティーってダメじゃん!



だから、私の耳にオジサンの呟きは入らなかった。



「彼女は、もう居ないのに…。」











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