はつ恋【教師←生徒の恋バナ】

・若菜サイド

9月になると、クラスや部活動でも文化祭に向けた話題が出てくる。



クラスの模擬店は焼きそば屋。



まぁ、私は書道部の活動もあるだろうし、クラスの模擬店には関われないか…。



そう思って、みんなが話し合っているのを話半分にしか聞いていなかった。



「ちょっと、ワカ聞いてる?」



深夏に肩を揺さぶられた。



「えっ?

まさか、私もやるの!?」



「当たり前でしょ?

文化祭前に模擬店の準備する係と当日調理室で具材を切る係、それに店先で焼く係が要るんだから。

文化部だって展示の当番の合間に、クラスの催しに顔出さなきゃ…。」



深夏が、ちょっと呆れたように言った。



準備はともかく、作る方には回されたくない。



第一、焼きそばの作り方なんて知らない。



「私、絶対に準備の係にしてもらう!」



「ワカは書道部だってあるでしょ?

準備の時間、割けるの?」



「部活動なんて大方、展示作品を1つか2つ書けば済むんじゃないの?」



そう思って深夏と喋っていたのに…。



数時間後には、クラスの準備に割ける時間があまりないことを思い知らされた。






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