はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
私と2年たちの作品が並べられた。



そんな時、ワッと泣き出す声が聞こえた。



次期部長と目されてる先輩は、顔を手で覆って部室を出て行く。



彼女の友達が、その後を追いかけていった。



「桐生さんに決定…で、良いよね?」



部長が他の3年の部員に確認を取ると、みんな頷いた。



同級生たちの期待に応えられなくて、悪いと思ったのか



「ごめんなさい…。」



って泣きながら何度も謝る先輩の声が、廊下から聞こえた。



私は坂下の前に出ると、キッパリと言った。



「ステージパフォーマンスは、辞退します。

私、重度のあがり症なんです。」



…ウソだけど。



「そうですか、残念です。

但し、看板制作はしていただきます。

宜しいですね?」



その言葉には、頷く。



だけど、残った2年たちの刺すような視線が痛かった。












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