はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
一方、お喋りを中断させられた先輩たちはというと…。
特に、文句の類は言われなかった。
アークの先輩は私が来たときに一瞬、難色を示していたけど、今は澄ました顔をしていた。
さすがお嬢様とでも言うべきか、心の中を無闇に表には出さない。
アンジェ先輩の方は、ずっと私を見てたみたいだ。
睨みつけるというよりは、観察ってカンジで。
だから、アンジェ先輩と思いっきり目が合った。
なんとなく、その時に分かってしまった。
彼女も、坂下のことが好きなんだ…。
…も?
何で、『も』なの?
それって、私…も?
そう考えた瞬間、頬が熱くなった。
私は坂下に一礼すると、職員室を出た。
バカ、私の大バカ!
坂下には、ちゃんと奥さんいるんだよ。
それに、坂下は私を死んだ娘の代わりにしか思ってない。
こんな、坂下を“男の人として好き”なんて想いは、勘違いだったことにしよう。
坂下はあくまでも、ワカのパパ…。
私は自分に言い聞かせながら、廊下を歩いた。
その時、焼きそばを買ってきた蒼とすれ違った。
「桐生、お前は聡明だよ。」
私が振り返ると、蒼は続けて言った。
「だけど、頭で考えたとおりにいかないんだよな、心ってさ…。」
特に、文句の類は言われなかった。
アークの先輩は私が来たときに一瞬、難色を示していたけど、今は澄ました顔をしていた。
さすがお嬢様とでも言うべきか、心の中を無闇に表には出さない。
アンジェ先輩の方は、ずっと私を見てたみたいだ。
睨みつけるというよりは、観察ってカンジで。
だから、アンジェ先輩と思いっきり目が合った。
なんとなく、その時に分かってしまった。
彼女も、坂下のことが好きなんだ…。
…も?
何で、『も』なの?
それって、私…も?
そう考えた瞬間、頬が熱くなった。
私は坂下に一礼すると、職員室を出た。
バカ、私の大バカ!
坂下には、ちゃんと奥さんいるんだよ。
それに、坂下は私を死んだ娘の代わりにしか思ってない。
こんな、坂下を“男の人として好き”なんて想いは、勘違いだったことにしよう。
坂下はあくまでも、ワカのパパ…。
私は自分に言い聞かせながら、廊下を歩いた。
その時、焼きそばを買ってきた蒼とすれ違った。
「桐生、お前は聡明だよ。」
私が振り返ると、蒼は続けて言った。
「だけど、頭で考えたとおりにいかないんだよな、心ってさ…。」