だから何ですか?
「あ・・ずき。何でいるんだ?」
本当に思ったままが思慮もなくぽろっと零れ落ちてしまったと思う。
そんな俺にひたすらに冷静を保持している彼女が腕を組みながら俺を見上げ、
「いきなり呼び捨てですか?」
「えっ?」
「【亜豆】と。まぁ、別に構いませんが」
「あっ、いや、はい」
「それに・・・何で居るんだ?はご挨拶ですね。こちらからすれば何でここに?と切り返してもいい遭遇なんですが?」
「あっ、そうなんだ」
一瞬、
本当に一瞬だけど、もしかしてこの飲み会を知っていて、偶然を装って押しかけたんじゃないかと思ってしまった俺は相当の馬鹿で己惚れなんだろうか?
だって、偶然にしては出来過ぎてて、社外でまでこんな風に顔を合わせることになるなんて。
そんな戸惑いが自分の顔にベッタリと張りだされて出もいたんだろうか?
ジッと俺を見つめていた姿が小さく息を吐いてその視線を賑やかな店内へ。
「よもや・・・私がストーカーチックに飲み会を嗅ぎつけてここに居る。・・・なんて馬鹿げた事思ってはいないでしょうね?」
「っ・・・違うの?」
「・・・何で花の金曜と言える夜にそんな面倒で無意味な事を?」
「はっ?め、面倒?無意味?」
「はい、だって、伊万里さんが飲んでいる場に居合わせて私に何の利益が?」
いや、利益とかそういう話なのか?