だから何ですか?



そんな理由つけにひたすら満足してすっきりした感覚に満ち始めていたというのに。



「酔ってますか?」


「・・・えっ?いや、程よく気分いい程度にはアルコール入ってるけど?」


「じゃあ、今程の意味不明な発言はどういう事なんですか?」


「どうって・・・まんま?全部亜豆の冗談なんでしょ?俺の事好きだって言ったのも。モテて調子に乗るな的な悪戯じゃなくて?」



そういう事でしょ?


そんな風に、何故か怪訝な顔をしっぱなしの彼女に真顔で告げて覗き込めば、怪訝から憐れむような表情?


深く息を吐きだし片手で頭を抱えたかと思えば、



「あなたの思考回路はどうなっているんでしょうね?」


「はいっ?」


「私とあなたに今まで特別な接点はなかった筈です」


「はい・・・そうですね」


「つまりはお互いに良いも悪いも思う事はない筈でしょう?」


「そうですね」


「そんなあなたに私が『好き』だと冗談を言ってどうなるんです?それこそ何か利益がありますか?」


「・・・・」



ない・・・ですね。


はい、無いと思いますよ俺も。


でも、何かしら俺って存在がイラッとして、それが理由の悪戯かと思ったんだよ。



< 22 / 421 >

この作品をシェア

pagetop