だから何ですか?
追って優しく頭を撫でてくる手の動きには眠気すら誘われそうな。
どこまでも亜豆を前にした俺は情けない。
不甲斐ないと思う気持ちもあるのにそれに今は甘んじていたいとも思って、充電を継続するように亜豆に身を寄せたままでいてしまう。
「カッコイイ良くないって・・・誰基準ですか?」
「世間一般?どう見たって俺一人で余裕なさすぎてカッコ悪いだろ」
「じゃあ、安心してください」
「あっ?」
「対象者である私はカッコイイと思ってますから」
「・・・・」
「それが何よりも重要では?私を想っての取り乱しが一般的にカッコ悪いというものだろうと、私からしたらどこまでも好意を感じて嬉しいですよ?」
「・・・・」
「カッコイイです。私からのその感覚以外必要ありますか?」
「・・・・フッ・・・・必要ないです」
それははっきりと言いきれる。
必要ない。
「亜豆が味方でいてくれるならいいや」
「そうでしょうとも」
ああ、本当に・・・・敵わない。
末期。
不敵だったり愛らしくだったり、感情に素直にコロコロと形の違う笑みを俺にだけは惜しみなく見せてくる亜豆にどんどん依存する。