だから何ですか?




「小出しにするよりガツンと体で返してくれてもいいんだけど」


「っ・・・伊万里さんって本当に性欲お盛んですね」


「亜豆にだけな」


「っ・・・」


「・・・・フハッ、顔真っ赤。何?照れてるの?」


「・・・・う・・嬉しいんだから仕方ないでしょう!?」



うーん、その逆切れすら可愛い事言ってるって本人は自覚ないんだろうな。


なんて天然記念物な生き物なんだろう。


虐めるつもりで弾く言葉にもいちいち返されるのはどこまでも俺しか見ていないような熱烈な愛情表現。


本当・・・焦って疑って申し訳ないと言いたくなるほどの亜豆の在り方には拝みたくもなってくる。


いや、マジで抱きたい。


抱きつぶして啼かせたい。



「伊万里さん?・・・何黙ってるんですか?」


「いや、抱きつぶして啼かせたいなぁって思って」


「っ・・・」


「って、事で今夜はどうでしょう?いつでも予約券はポケットにスタンバってるんだけど」


「伊万里さん!!そういうつもりで呼んだんじゃないですから!」



分かってるよ。


分かってるからこそのちょっとした気分転換なおふざけだっての。


いや、抱きたいのはいつだってある欲求だけど。




< 273 / 421 >

この作品をシェア

pagetop