だから何ですか?




こういう事って・・・。


えっと・・・つまりは、



「ふ・・・たご?」


「はい、双子の姉で海音君と絶賛婚約中の麗生(レオ)ちゃんです」



目に見えて答えは分かっているのに、まだどこか半信半疑の夢でも見ているかのように交互に指差し呆けてしまう。


にこやかに俺に説明してきているのが俺の知ってる亜豆で、海音に未だ拘束されるように壁に追いやられ顔を火照らせているのが紹介された姉の方。


よく見れば亜豆と違ってばっさりと後ろ髪は短い姿で、当然気まずい状態での初顔合わせにフイッと顔を逸らされてしまった。


そんな姉を『可愛い』なんて言って海音が愛でる様に顔に口づけているし。



「つまりは・・・昨日目撃されたのは私じゃなくて麗生ちゃんなんです」


「あ・・・あー・・・」


「この2人結婚の準備進めてるんですけどなかなか仕事の都合つかなくて、そしたら急に木曜に都合ついたらしくて。そうなるとチビの世話を必然的に私がする事になるからデートをドタキャンって形になったんです」



あー・・・なるほど。


うん、成程としか・・・言葉が出ない。




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