だから何ですか?
完全におちょくっただろ!?と睨みつけようが至極愉快だと満面に笑み、嘘はついていないとどこまでも屁理屈を並べてくるから性質が悪く憎たらしい。
殴りたいと明確に拳を握って見せてもまったく動じるどころからケラケラと笑いながら、
「あはは、怒りを全部俺に向けるならお門違いじゃない?そもそもが『好き』の言葉一つで全部を知った気になってお互いを語ってない和と凛生も悪いんじゃない?」
むっ、正論・・・。
さすがにこの言葉にはグッと感情も抑え込まれて言葉が詰まる。
確かに、なのだ。
亜豆を言い訳にしたくはないが、亜豆の在り方に甘んじて乗りすぎて、するべき話をないがしろに関係だけを恋人としたような経緯。
よくよく考えれば誤解の入り込みやすい隙だらけの関係だったのだ。
海音も確かにそこにつけいって悪質な悪戯だったけれど、元はと言えば自分達のせいだと問題が返る。
でも、だって・・・
「海音との関係聞いた時は同じ施設の兄妹みたいな関係だって言われたから。双子の姉がいるとか、海音とその姉が婚約してるとか、そんな付属の説明なかったし」
まさかこんな付属があるとは思いもしないし、海音との関係を聞いた時に普通ならそこまで話してくれてもおかしくないと思うのに。
それについてはどういう事なんだ?と俺と海音の会話を間に立って聞いていた亜豆に視線を向けると。