だから何ですか?






無駄に天気がいい。


そんな事を晴天を見上げながら思ってフーッと煙を空に噴き出す。


いや・・・見上げるというより不満全開に睨みつけてが正解か。


自分にとって喫煙は息抜きの習慣。


どれだけ体に悪い行為かは重々承知の上で、それでも尚続けてしまっているものであって。


目の疲労も蓄積させないようにの休息も含めてなわけで・・・。


なのに・・・煙草を吸いに来て逆にこんなに苛立っていたのでは意味がない。


それにここ数日確実にここで吸う煙草の量は増えている。


今もどんどんと公害と言える煙をまき散らしているのはすでに2本目の煙草だ。


それすらもあと少しで終わりとなってしまうであろう残りの短さ。


今日もかよ、こんちくしょう。なんて、心で悪態をつき目を細めたまさにそのタイミング。


聴覚が野生動物の如く俊敏に反応し、コツコツと響き近づいてくるヒールの音に歓喜以上に苛立ちと不満。


咥えていた煙草を手に持ち直しながら近づいてくる足音に身を捻りその姿を捉えると、



「あーずーきぃぃぃ」


「・・・・お疲れ様です」


「お疲れ様じゃねぇよ」


「・・・・はぁ?」



怨念でも込めたような自分の声音と口調。


いや、軽く込めて発していた気もする。




< 91 / 421 >

この作品をシェア

pagetop