どうしたって期待したい!!
これがきっとまったく好きじゃない野郎からのチャラいセクハラならグーパンの一つでもかましそうな勢いなのに。
水城くんなら許せてしまう。
水城くんならもっとして欲しいとか湧いてしまう。
なんならいくらでも確かめて覗き込んで?そして何かの神様!その瞬間にラッキースケベを起こして水城くんとチューさせてください!!切実に!!
そんな煩悩ギラギラな私の心中などつゆも知らず、くあっと欠伸をする口を押えている彼の貴重で愛らしい事。
欠伸可愛い!抑える手が可愛い!!むしろあの手になりたい!!
好きっ!!
自分でも相当末期で飛んでいるなと思う恋心思考は常に暴走特急だ。
気分もルンルン、下手したらスキップでもかましそうな身体をなんとか宥めてクッキーとカップを2つ手に彼が身を置いていた席の隣に身を置いた。
この際PCで一時停止されているスプラッタな映像はない事にしよう、うん。
それを覗けば物凄く良い雰囲気じゃない!?
夕刻の2人きりの研究室で隣に並んでお茶しちゃってるよ!?
神様…なんのご褒美でしょうか今日という日は……。
正直ドキドキしすぎてクッキーの味も紅茶の味もまったく舌が感知しなくてビックリですよ!?
寧ろ隣で今まさに私のクッキーをサクッてしてる彼が甘くて極甘でっ!!
サクッて!サクッてぇぇぇ!
「ぶっ……」
「えっ?」
ふ……噴いた?
噴きました?
しかもなんか口元手で覆ってるし……
えっ?何か私しでかしましたのこと!?ベタに砂糖と塩とか間違えたおまぬけ展開じゃないよね!?と、サーっと血の気が引くのを感じながら慌てて確かめる様にクッキーを口に放りこんでしまった。