どうしたって期待したい!!



って……甘い。

いや、普通だ。普通に美味しいと思う甘いクッキーだ。

正直『おえっ』となる衝撃に備えて口に放り込んだ物だから、その当たり前の甘さには拍子抜けしてポカンとしてしまう。

決して不味くはないと思う出来であるのに…彼の反応の原因はなんだ?とクルリ視線を動かせば…。

あれ?なんか震えて……

ってか……えっ?笑って……

「くっくっ……」

「っ……」

「……ごめん……『チマコ』って…」

「そ、…そこぉぉぉ!?えっ?遅っ!!えっ?だってその会話からどれだけ……ってか……笑ってるぅぅぅ!!!」

「だから…笑ってゴメンって」

いやいやいや、違うのよ。笑ってる事を咎めたいんじゃなくて衝撃なんですって!!

あの水城くんが笑ってる。

表情を一つしか持っていないんじゃ?と謳われているほどの水城くんが笑っている……。

貴重。

学名つけたいくらいに貴重。

くっそ良いぃぃぃぃぃぃぃ!!!尊い!!

写真に収めて引き伸ばして部屋の天井に貼りたいぃぃぃ!!!

私、今日水城くんに殺されるんじゃなかろうか?

今死んだら私きっと昇天してしまう。

それにしても……それにしてもだ……。


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