どうしたって期待したい!!
「み、水城くんは天然さんなんだね、」
「………そう?」
「多分……そうだと思う。他には言われない?」
「………天然は言われた事ないかな」
「そうなんだ…」
「……俺をどうだとか図るような交流関係あんまりないからな」
「っ………」
そうだった。
そうでした。
そういう他者を拒むようなスタンスの水城くんだったんだ。
うっかり忘れかけていた彼の本来の姿。
男女問わず彼は他人と一緒に居ることがない。
少なくとも大学内では見た事がない。
ただ……一方的に女の子に絡まれているような場面はあるけれど、交流を持つという程のソレには値しないのだ。
だからこそ余計に有名なイケメンさんだったわけだけど。
どんな可憐な美少女の誘いにも反応しない孤高の男子。
そのミステリアスさにも女子はキャーキャー食いついて、私もキャーキャー言ってた口だけども。
もしかして……なんて疑惑もあって…
「……あの…さ」
「うん?」
「もしかしてなんだけど……不躾だと重々承知なんだけど…」
「うん、」
「もしかして…ゲ…」
「ゲイとかではないから」
「っ……ごめんなさい」
「普通に異性に反応する健全男子ではあるんだけどね」
「……えっと…もしかして…大学外に彼女とか…」
「いないよ」
「じゃ、じゃあ……好きな人とか……」
ああ、自分…。
本当に分かりやすく声色変わったぞ今。