どうしたって期待したい!!
さすがに嫌われたかもしれない。
鬱陶しいと、煩わしいと。
もしかしたら明日からまた声をかけてもらえないかもしれない。
ううん、それよりもっと最悪避けられたり……。
「つまらないから」
「…………へっ?」
「……俺が誰とも付き合わないのは……つまらないから」
「つ……つまらない?」
つまらないというのは……どういう意味だろう?
付き合う事自体が……恋人という関係がつまらないと言いたいのか。
相手そのものがつまらなかったという過去の感想なのか。
それとももっと他の?
そんな疑問と困惑に言葉を失って呆けていれば、サクリと新しいクッキーを齧った彼が一言、
「俺を好きだと言う理由が分からない」
「っ……」
「別に己惚れとかじゃなく、それなりに恵まれた容姿なのは自覚してる」
「あ……うん」
「………彼女たちが俺の『容姿を好きだ』って理由は理解出来る。でも、だからってそれと恋情を結びつける意味が分からないしむやみやたらに結び付けて巻き込まないでほしい」
「っ……えと……でも、ほら、人ってなんて言うのか……やっぱり容姿から入っちゃう事もあるじゃない?仮に始まりがソレでも中身を知っていけばもっと…」
「つまらないよ」
「っ………」
「俺はね、少なくとも今まで面白かった事はないらしいよ」
「…………」
淡々と。
そう終始淡々と…。
語られる理由には私の恋心をも杭を打つ効果が絶大だ。